正味

生薬名:大黄(ダイオウ)
科名・属名:タデ科ダイオウ属
学名: Rheum palmatum
生息地:中国、チベット、日本
形状: 大型の多年草草本で高さは2~3メートル、断面は黄色
使用部位:根茎
種類: 中国産錦紋大黄系大黄・北海大黄・信州大黄等
特徴:
- アントラキノン配糖体(クリソファノール、アロエエモジン、エモジン、レイン、リンドレイン)( 抗炎症、鎮痛 )
- ピアントロン配糖体としてセンノシドA~F( 瀉下 )
- タンニン成分としてラタンニンなど ( 血中尿素窒素低下)
- 別名は 他にはない卓抜した激しく強い薬効から 将軍と言われている
- 非常に古くから薬用とされ、中国では既に戦国時代にその記載がみられるほか、ヨーロッパでは「ギリシャ本草」にも収載されている
- 子宮収縮を促進する作用や骨盤の充血も増長される作用があるので妊娠中及び産後や月経期間中は使用を避けた方がいい
- 成分のセンノシドは腸内細菌でレインに代謝され効果を発揮する
- 腸内細菌には個人差があるため、効果に個人差が生ずるといわれている
- 下痢を止める作用のあるタンニン類も含まれているために、長期間にわたり連続使用しても副作用により病的な下痢症状が起きにくい
薬理作用
- 瀉下
- 抗菌、抗真菌
- 血中尿素窒素低下
- 抗炎症、鎮痛
- 健胃
- 利尿異常
- 黄疸
- 瘀血(おけつ)
大黄が使われている漢方薬
- 大黄甘草湯 (だいおうかんぞうとう)
- 三黄瀉心湯 (さんおうしゃしんとう)
- 大黄牡丹皮湯 (だいおうぼたんぴとう)
- 桃核承気湯 (とうがくじょうきとう)
- 大柴胡湯 (だいさいことう)
- 柴胡加竜骨牡蠣湯(さいこかりゅうこつぼれいとう)
- 乙字湯 (おつじとう)
- 潤腸湯 (じゅんちょうとう)
- 麻子仁丸 (ましにんがん)
- 調胃承気湯 (ちょういじょうきとう)
大黄を含む漢方を販売する際の注意点
大黄(センノシド)は登録販売者試験でも必ず問われる生薬です。
しっかりと理解しておきましょう!!
その1
構成生薬にダイオウを含むものは、成分の一部が乳汁中に移行し、乳児に下痢を引き起こすおそれがあります。よって、母乳を与える人は使用を避けるか、使用期間中は授乳を避けることになっています。
その2
大黄に限らず、「大腸刺激性瀉下成分」には、腸の急激な動きに刺激されて、流産、早産を誘発するおそれがあります。
その3
大黄を含む漢方薬では胃腸が弱く下痢しやすい人では激しい腹痛を伴う下痢等の副作用が現れやすくなります。
コメント